Room104 文学へのいざない~和歌

注) 下記の講座は終了しました

  • 岡本会場 2023年10月28日(土)
  • 岡本会場 2023年11月22日(水)

講習時間・参加費用

※会場別に異なりますので
 右の申込み欄をご確認ください

※終了後の交流会費用は別途

開講会場

岡本会場

三宮会場(レ・ヴィーニュ)

東京会場

申込方法

参加申込はご希望の日時を選択頂き、申込ボタンを押下して下さい。

キャンセルの場合

テキストの準備のため、キャンセルされる場合は開催日の3日前までにご連絡ください。
それ以降のキャンセルに関しては、テキスト代+送料計4,000円(税込)をお支払いただきますので、予めご了承ください。
テキストはご指定の住所宛てに郵送します。到着後、同封のご請求書記載の
パスカル銀行口座までお振込願います。(振込手数料はお客様ご負担となります)

サロン開講によせて

教養サロンは人類の叡智を学び、よりよい人生にすることが目的である。そのため、これまで幅広いジャンルからテーマを選んできたが、特にオーナーにとってこれまでもこれからも深く追求したいテーマがある。それは、他でもない「日本」である。日本人として生まれ育ち、この国の豊かな自然と清潔な環境、勤勉で奥ゆかしい人々、美味しい食べ物にはとても満足しているが、日本の文化、伝統、歴史、精神などについては、知らないことが多い。そこで、サロンでは日本についていろいろ取り上げた。振り返ってみると、Room6で俳句、Room20で日本近代史、Room28で古事記・日本書紀、Room40で浮世絵、 Room48で城、 Room56で皇室、 Room59で能・歌舞伎・文楽、 Room70で琳派、Room73で自衛隊、Room96で日本の文豪、Room102で推理小説国内編と11テーマに及ぶ。それでも、「日本」は奥が深くてまだまだ勉強が研究が足りない。日本のことを知りたいオーナーの挑戦はこれからも続く。

さて、よく言われることであるが、日本人は自分の気持ちをストレートに表現しない。ストレートの最たるものは、英語の
I love you.だろう。日本人は「愛しています」と直接相手に言うだろうか。少なくともオーナーは恥ずかしくてとても言えない。映画やドラマならともかく、現実の場面でこのようなストレートな言い方をする日本人はいないだろう。となると、この奥ゆかしい文化はどこから来たのだろうか。そのヒントが、本日のテーマの和歌にあるのではないかと思う。和歌といえば百人一首が有名であるが、その40番に平兼盛の「しのぶれど色に出いでにけり我が恋はものや思うと人の問うまで」というのがある。これは「誰にも知られないように秘めていた恋なのに、顔に出てしまったようだ。恋に悩んでいるのかと人にきかれるまでに」というような意味である。なんとも奥ゆかしい。和歌には、このような恋の歌や四季を愛でる歌が数多く残されている。そしてどれも気持ちをストレートに伝えていない。中世の貴族社会では、思ったことをズバリということは無粋だったのである。待つ寂しさを長月の月に見立てたり、会えずに帰ることを打ち寄せては帰る波に例えたりと、何とも奥ゆかしい。まあ、現代人からすると、面倒でじれったい言い方をするなと思わないでもないが、それが、和をもって貴しとし、曖昧な言い方で争いを避けてきた日本人の本質なのかも知れない。

サロンでは、和歌の決まり事を学んだ上で、さまざまな歌集からできるだけ多くの歌に触れてみたい。そこから、日本人のルーツを感じることができたなら、一つの仮説が検証されることとなる。