Room101 文明へのいざない~言語と文字

注) 下記の講座は終了しました

  • 岡本会場 2023年4月22日(土)
  • 岡本会場 2023年4月26(水)
  • 岡本会場 2023年5月17(水)

講習時間・参加費用

※会場別に異なりますので
 右の申込み欄をご確認ください

※終了後の交流会費用は別途

開講会場

岡本会場

三宮会場(レ・ヴィーニュ)

東京会場

申込方法

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キャンセルの場合

テキストの準備のため、キャンセルされる場合は開催日の3日前までにご連絡ください。
それ以降のキャンセルに関しては、テキスト代+送料計4,000円(税込)をお支払いただきますので、予めご了承ください。
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サロン開講によせて

サロンは目標200回に向け、後半戦に入った。スタートはRoom101「言語と文字」である。世界には7000を超える言語が話されているというから驚きである。世界の国地域の数はせいぜい200程度だから、言語の数は国地域の数の数十倍にもなるということだ。たとえば、 2013年の調査では、インド全土で870ほどの言語があるという。一方で過去50年間で230の言語が消滅したともされるから、少数言語の淘汰はこれからも止まらないだろう。アイヌ語も実際に話す人は非常に少ないと聞く。貴重な人類遺産が消えていくことはさみしい限りでがあるが、これも、グローバル化のなせる結果であろう。

言語学者の研究によって、世界の言語や文字の系統がかなり明らかになってきた。それによれば、世界の言語は言語族という大きな括りとしては、有名なインド・ヨーロッパ語族やアルタイ諸語(かつてはウラル・アルタイ語族と呼ばれていた)など15程度に分類される。では、我らが誇る日本語はどの語族に分類されるのかといえば、これが、なんとどこにも属さないという説が有力だ。日本人が、大陸から移住してきたことに疑いはないが、その話し言葉の源流の詳しいことがわからないのである。オーナーとしては、比類の無い日本語の存在が証明されたようである意味うれしい。

さて、日本語は世界の中でも特殊な言語なのだろうか。よく外人にとっては日本語の壁は高いと聞く。確かに、膨大な数の漢字、そして、ひらがな、カタカナを組み合わせた文字の習得はハードルが高いだろう。しかし、オーナーがこれまで外資系企業などで出会った外国人の中には、「こいつは日本人よりもうまく日本語を話すではないか!」と驚くことが多かった。彼らが言うには、日本語を話すことはそれほど難しくはないとのことだった。確かに、助詞や敬語を使い分けるのは簡単ではないと思うが、文法は複雑ではない。ドイツ語などのような名詞の性があるわけでもなく、ややこしい冠詞もつかない。日本語は、主語+目的語+動詞(SOV)の語順をとり、これは英語やその他ヨーロッパ言語の主語+動詞+目的語(SVO)型と大きく異なることはよく知られている。では、SOV型はめずらしいのかと言えば、全然そんなことはない。この型の言語は、日本語、トルコ語、朝鮮語、ヒンディー語など、世界の言語の約50%を占めているのである。世界の言語を知ることで、日本語の良さや課題を改めて考えてみることができそうである。

今回のサロンは、世界の言語と文字について、その系統を中心にまとめてみた。言語や文字はあまりにも数が多いため個々に紹介することは不可能であるが、様々な言語や文字の系統を知ることで、これから新たな言語を学ぶときに役立つこともあるだろう。オーナーは大学1年のとき、向学心に燃えて、第4外国語としてラテン語を少しだけかじったことがあり、そのとき買った教科書も大事に置いている。その後、理系科目が忙しくなりラテン語は草々にリタイアしてしまったが、今、この年になって改めてラテン語を勉強してみたくなった。これからのサロンのテーマとして、いつかラテン語を取り上げたみたいものである。