Room94 工学へのいざない~金属と合金

注) 下記の講座は終了しました

  • 岡本会場 2022年6月18日(土)
  • 岡本会場 2022年6月21(火)
  • 岡本会場 2022年7月14日(木)

講習時間・参加費用

※会場別に異なりますので
 右の申込み欄をご確認ください

※終了後の交流会費用は別途

開講会場

岡本会場

三宮会場(レ・ヴィーニュ)

東京会場

申込方法

参加申込はご希望の日時を選択頂き、申込ボタンを押下して下さい。

キャンセルの場合

テキストの準備のため、キャンセルされる場合は開催日の3日前までにご連絡ください。
それ以降のキャンセルに関しては、テキスト代+送料計4,000円(税込)をお支払いただきますので、予めご了承ください。
テキストはご指定の住所宛てに郵送します。到着後、同封のご請求書記載の
パスカル銀行口座までお振込願います。(振込手数料はお客様ご負担となります)

サロン開講によせて

ここに一冊の本がある。著者は東大名誉教授の故三島良績博士、書名は『金属材料概論(増補版)』である。これは、オーナーが東大の専門課程で学んだ原子炉材料基礎論の教科書であった。あれから、50年近く経過し、このたびサロンで「金属と合金」を取り上げることになり、書棚から引っ張り出してきた。改めて、読んでみると、実に懇切丁寧な説明でわかりやすい。三島先生の講義は、他の先生にはまねのできない独特の語り口である。ちゃきちゃきの東京弁で、テンポよく早口でお話になる。実体験にもとづいた話が豊富で、学生を90分間惹きつけて離さない。卒論を書くなら、ぜひ三島先生にご指導いただきたいと思い、オーナーは三島研究室に入らせていただいたのである。この教科書で合金の2元状態図の説明を参考にさせていただいた。

元素の周期表の中から金属元素を数えてみると、全118元素中、96元素、実に81%は金属なのである。金属から何か一つ選ぶとすれば、みなさんは何を選ぶだろうか? 鉄、金、銀、銅、アルミニウム、あるいは、食塩のナトリウム。これらの金属は我々にはとても身近な存在である。2018年のRoom61で鉄を取り上げた。鉄はステンレスでなければ錆びるというのが常識であるが、実は、超高純度の鉄は一般の鉄とは全く違い、表面が銀色に輝いてさびない。塩酸につけても溶けず、金属のイオン化傾向の常識が成立しないということを学び大いに驚いたものである。さて、オーナーにとって気になる金属といえば、チタンであろうか。かつて、通産省で原子力関連の仕事をしていたとき、神戸製鋼所で、3つの金属のサンプルを見せてもらった。形と大きさは全く同じである。最初はチタン。これは、軽い。次は、ジルコニウム。かなり重たい。最後は、あまり一般の人には馴染みのないハフニウム。これは、非常に重たくて感動した。実は、チタン、ジルコニウム、ハフニウムは、元素の周期表では同じ第4族に属している。それ以来、オーナーは、この3つの金属が周期表の縦に並んでいることを決して忘れることはないのである。

さて、今回のサロンでは、金属がなぜ“金属”の特徴を示すのか、その原理に迫ってみる。また、合金については、超がつくすごい合金を選んでご紹介しよう。合金といえば、「超合金ガンダム」を思い浮かべる人は多い。なので、超合金という項目も用意している。文明をつくり、生命も支える金属、サロンで新たな興味を持ってもらえればうれしい。