Room89 歴史へのいざない~中国史2

注) 下記の講座は終了しました

  • 岡本会場 2021年11月20日(土)
  • 岡本会場 2021年11月22日(月)

講習時間・参加費用

※会場別に異なりますので
 右の申込み欄をご確認ください

※終了後の交流会費用は別途

開講会場

岡本会場

三宮会場(レ・ヴィーニュ)

東京会場

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サロン開講によせて

中国史は、2019年3月のRoom68で中国史1として、紀元前2000頃の青銅器時代から清朝のアヘン戦争前の1820年までを取り上げた。今回はその続編として、アヘン戦争から現代までの約200年間についての近現代史である。 Room68の「はじめに」でも述べたが、習近平総書記の時代になって、中国の拡大路線は顕著で、ここ数年さらにその動きは加速されている。第二次世界大戦後、アメリカは世界の警察を自認し、強大な軍事力と経済力で、共産主義に打ち克ち世界をアメリカを盟主とする自由主義世界にすることを使命としてきた。そのアメリカは、今世紀に入り、America first主義を鮮明に打ち出し、紛争地域からの撤兵を始めた。アジア地域においても、安全保障に関してアメリカの関与が従来より低下することは否めない。すると、その隙をついて、中国はこの30年間で飛躍的に高めた経済力、軍事力を背景に、海洋進出、一帯一路、さらに宇宙進出を進めている。2017年、習近平国家主席は、中国共産党の憲法にあたる党規約を改正して、習近平思想というべき社会主義理念を盛り込んだが、それは、アメリカに並ぶ超大国を目指す中国の重要な布石である。

しかし、ここに至るまでの中国は苦難の連続であった。国民党と共産党の長年に亘る内戦、日中戦争での多大な犠牲、文化大革命による大混乱、改革開放による成長と腐敗、天安門事件での民主化の圧殺など、想像を絶する困難ばかりである。中国の近現代史を概観するにあたっては、日本の中国への進出とそれに対する抗日運動が極めて重要である。日本が中国に進出した理由はいくつか考えられる。広大な土地で資源、食料を獲得すること、巨大市場に当時の日本の主力産業であった繊維製品を売ること、は自然な解釈としてあるだろう。さらに、欧米列強の中国侵略の流れが日本に及ぶ前に進出したという解釈もあるだろう。特に、朝鮮半島の一部を含む満州国の建設は、ソ連から日本本土への侵略を食い止める安全保障上の理由も考えられる。これらの日本の行動は、中国からみれば、自国領土への侵略ととらえるだろう。しかし、それが「進出」か「侵略」かという言葉の違いはあっても、日本が中国の領土に出兵して、中国国民軍や一般市民を少なからず殺害したのは事実であり、そこに正当性はない。我々に残された課題は、そのことを国家(国民)としてどのように総括するのか、そして、真に未来志向の日中関係をいかに築くのかということである。

近くて遠い隣国、中国。良かれ悪しかれ、日本はこれからもこの巨大な獅子とつきあわなければならない。そして、決して過去のような戦争を繰り返してはならない。そのために、歴史を理解することは、極めて重要である。サロンがその理解の一助になれば、幸いである。