Room64 嗜好へのいざない~茶・コーヒー

注) 下記の講座は終了しました

  • 岡本会場1 2018年9月1日(土)
  • 岡本会場2 2018年9月6日(木)

講習時間・参加費用

※会場別に異なりますので
 右の申込み欄をご確認ください

※終了後の交流会費用は別途

開講会場

岡本会場

三宮会場(レ・ヴィーニュ)

東京会場

申込方法

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キャンセルの場合

テキストの準備のため、キャンセルされる場合は開催日の3日前までにご連絡ください。
それ以降のキャンセルに関しては、テキスト代+送料計4,000円(税込)をお支払いただきますので、予めご了承ください。
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パスカル銀行口座までお振込願います。(振込手数料はお客様ご負担となります)

サロン開講によせて

サロンは今回で64回目であるが、食べ物・飲み物についてはまだ一度も取り上げていなかった。これからは、少しずつ扱っていくことにする。今回は、私たちの普段の飲料の代表格である、茶・コーヒーを選んだ。食事時はもちろんのこと、デート、友人との会話にも欠かせない。人の生活にこれほど馴染みのある飲み物は他にないだろう。

まず、お茶の話から。日本では客人が訪問してくれたときにもてなすものとして思い浮かぶのはお茶(緑茶)である。煎茶の茶葉を冷蔵庫で冷やしておいた水で淹れると、「これはどこの高級茶ですか」と驚かれるくらいうまいらしい。それには、ちゃんとした科学的は訳がある。中国では、ウーロン茶と言いたいところであるが、中国本土ではあまり飲まれていない。圧倒的に緑茶であるという。ウーロンが日常的に飲まれているのは台湾である。また、紅茶と言えばイギリスと言われるが、イギリスは自国で茶を栽培することもなく、もっぱら輸入に依存している。これら、緑茶、ウーロン茶、紅茶が、実は元の樹は同じで、同じ茶葉でありながら、製法の違いによって風味のまったく異なるお茶となることは、意外と知られていない。あるいは、少し知識のある人は、茶葉の発酵の度合いで、緑茶、ウーロン茶、紅茶に分かれるとおっしゃるだろう。その通りと言いたいところだが、少し間違っている。どれも、発酵はしていないのである。

次にコーヒーについて。コーヒーは実に不思議な飲み物だと思う。コーヒーのどこがおいしいの?とコーヒー好きに聞くとどんな答えが返ってくるだろうか。香りだ、苦みだ、酸味だ、コクだ、爽快感だ、キレだ・・・ひとそれぞれ好みも違うので、飲む人の数と同じ答えが返ってくるだろう。コーヒー豆の産地の違い、焙煎は抽出の方法の違いなどで、味や香りは違ってくるが、その理由を科学的に解き明かすのは、非常に難しい。コーヒーの生豆には1000種類にも及ぶ化学物質が含まれ、それらが加工される間に複雑に変化するからである。最近の研究によって、コーヒーの香り、苦み、酸味を左右する主要な成分がようやく明らかになってきているというが、まだまだ、謎の多い飲み物である。オーナーは15歳からコーヒーはブラックと決めている。最初は粋がって苦いのに無理して飲んでいたように思うが、今ではブラック以外考えられない。しかし、考えてみれば不思議なことである。苦いという味覚は、本来はまずいのである。毒が入っているものが苦いのである。しかし、苦くないビールはもはやビールではない。苦くないコーヒーはコーヒーではない。それをうまい(おいしい)と感じるのは、なぜだろう。大脳が、大丈夫、この苦みは美味しいのだよとささやいているのかも知れない。「おいしい・まずい」の評価はひとそれぞれの感覚で決まるから一般的には定義できないが、「良いコーヒーと悪いコーヒー」は、正しく定義できそうである。

サロンでは、茶・コーヒーの歴史、分類について概観した上で、原料、加工について科学してみよう。毎日飲むものであるから、きっと楽しくなると思う。