Room63 工学へのいざない~自動車

注) 下記の講座は終了しました

  • 岡本会場1 2018年7月21日(土)
  • 岡本会場2 2018年7月27日(金)
  • 岡本会場3 2018年8月24日(金)

講習時間・参加費用

※会場別に異なりますので
 右の申込み欄をご確認ください

※終了後の交流会費用は別途

開講会場

岡本会場

三宮会場(レ・ヴィーニュ)

東京会場

申込方法

参加申込はご希望の日時を選択頂き、申込ボタンを押下して下さい。

キャンセルの場合

テキストの準備のため、キャンセルされる場合は開催日の3日前までにご連絡ください。
それ以降のキャンセルに関しては、テキスト代+送料計4,000円(税込)をお支払いただきますので、予めご了承ください。
テキストはご指定の住所宛てに郵送します。到着後、同封のご請求書記載の
パスカル銀行口座までお振込願います。(振込手数料はお客様ご負担となります)

サロン開講によせて

これまで人類が発明した技術の中には、文明や生活を劇的に変化させた革新的なものがいくつかある。製鋼技術、熱機関(エンジン)、発電と電動機(モーター)、デジタル化エレクトロニクス・インターネットといった根幹の技術はその代表である。一方で、それらを応用した製品技術として、あえてオーナーの主観でランキングすれば、1位は自動車・鉄道、2位は冷蔵庫、3位はTVやラジオ、4位はコンピュータ・スマホである。自動車は鉄道とともに、高速で人や重量物を輸送することで、物流革命を起こし、各種産業を発展させた。いや、自動車産業そのものが一国の経済を左右するほどの影響力がある。各メーカーによって差はあるが、自動車のパーツは約4000種類、2~3万個もあり、1種類の車生産で実に数百社以上の企業が関わる。そして自動車産業が生み出す雇用は、我が国の場合、全就業人口6530万人のうちの実に539万人(8.3%)にも及ぶ。トランプ米国大統領は米国の貿易赤字対策のため、輸入車に20%の関税をかけるという発言で世界を驚かせているが、これも、自動車産業がもたらす自国経済への影響の大きさを物語っている。WTOを無視したアメリカファーストの言動が世界経済に悪影響を及ぼすこと、日本車の米国現地生産によって生みだされた米国人の雇用が150万人いること、関税によって一番迷惑するのが日本車をこよなく愛好する米国ユーザーであることなどは、評論家に言われなくても分かることであるが、自動車の貿易問題は、これからも幾度となく取り上げられるだろう。

さて、自動車は輸送という本来の目的以外にも、ドライブそのものの楽しみのため、スピードを競うカーレースのため、それなりに地位のある人のステータスシンボルのため、コレクションのためなどなど、さまざまな目的で使われ、所有され、売買される。オーナーがアメリカで実際に観たのは、数十台の車が互いにぶつけあってボコボコにするクラッシュカーレース。実にアメリカ的なスポーツ?だと笑った。スピートへの挑戦ということでは、スウェーデンのスーパースポーツカーメーカーであるケーニグゼグ社が製造したアゲーラRS(5.0L V8 ツインターボエンジン)が、2017年11月4日、米ネバダ州パーランプにて447km/hを記録している。また、ジェットエンジンを装着したものとしては、イギリスで設計・製作されたスラストSSCが、1997年10月15日に音速を超える1227.985km/h(マッハ1.016)を記録し、この記録は国際自動車連盟(FIA)で認定された。ここまでくると、この物体は自動車といえるのかと疑いたくなるが、一応、車輪が地面に接触しているという条件をクリアしているので、定義上は自動車である。

さて、自動車はどのような仕組みで動くのだろうか。現在、ほとんどの自動車はガソリンまたは軽油を燃料としている。燃料をエンジン内で爆発させてピストンの往復運動を発生させる。その往復運動をクランクシャフトで回転運動に変え、最終的にタイヤを回転させることで地球を蹴って動く。これくらいは、多くの方がご存じだろう。しかし、より詳細なところでは、なぜ4気筒エンジンが多いのか、トランスミッション(変速機)はどのような仕組みなのか、曲がるときに左右の回転数を調整する差動装置(ディファレンシャル)は、歯車がいったいどのように組み合わされているのか、当たり前のように使っているカーナビは、どのような原理と技術で実現しているのか。このように少し踏み込んだ疑問になると、専門家か愛好家でもない限りすぐに答えることはできないだろう。もちろん、これらを知らなくても自動車を安全に快適に楽しむことはできる。でも、いつもサロンで言っていることであるが、少し詳しく知ることで、よりそのものに愛着がわくのではないだろうか。ドライブそのものが楽しいように、知ること自体が楽しい。それがサロンの醍醐味である。

今回はRoom63、工学へのいざない~自動車というテーマで、開発の歴史、走る・曲がる・止まるの仕組み、ざざまな種類、語り継がれる名車、おもしろい記録など、知ると車のことがもっと好きになる楽しいサロンにしてみたい。是非、多くの方にご参加いただきたいと思う。