Room65 物理学へのいざない~重力

注) 下記の講座は終了しました

  • 岡本会場 2018年11月10日(土)
  • 岡本会場 2018年11月16日(金)
  • 東京会場 2019年2月23日(土)

講習時間・参加費用

※会場別に異なりますので
 右の申込み欄をご確認ください

※終了後の交流会費用は別途

開講会場

岡本会場

三宮会場(レ・ヴィーニュ)

東京会場

申込方法

参加申込はご希望の日時を選択頂き、申込ボタンを押下して下さい。

キャンセルの場合

テキストの準備のため、キャンセルされる場合は開催日の3日前までにご連絡ください。
それ以降のキャンセルに関しては、テキスト代+送料計4,000円(税込)をお支払いただきますので、予めご了承ください。
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サロン開講によせて

今回は重力をとりあげる。なかなか、深遠なテーマである。私たちは地球の重力場(質量があるものが力を受ける場所)に生きている。物を持って放すと空気の密度より大きいものは必ず下に落ちる。1687年にニュートンはプリンキピア(自然哲学の数学的諸原理)を刊行して、万有引力の法則を発表した。それによれば、2つの物体間には、質量の積に比例し、物体間の距離に反比例する万有引力が働く。光速に近い運動でないかぎり、物体の運動はかなり正確に予測できる。惑星運動、上空に打ち上げられた弾道、ゴルフボールの軌道、人工衛星の飛行経路の計算ができるのは、ニュートンの方程式による。しかし、ニュートンは引力そのものの原因については何も述べなかった。なお、地上で重力という場合は、引力と遠心力の合力のことを言う。1915年にアインシュタインは、一般相対性理論で重力場を、時空のひずみであると説いた。そこでは、質量のあるものも、質量がない光も重力場の影響を受けて曲がると説明される。こうなると、常人の理解をはるかに超えている。
 
もし重力がなかったらどうなるかという思考実験は面白い。地上に立っている人や物は一斉に宇宙空間に飛び出していく。地球や月が太陽の束縛を解かれて、太陽系に別れを告げる。数千億の銀河も星がばらばらになる。重力の弱いところに行くとどうなるかは想像しやすいだろう。月の重力は地球のそれの6分の1である。地上で50cmジャンプできる人が月でジャンプすると、約3m、滞空時間約4秒のジャンプでき、地上で200ヤードのドライバーショットは、1400ヤードまで飛ぶ。

オーナーは、1968年に公開されたスタンリー・キューブリック監督の映画 2001: A Space Odyssey(邦題 2001年宇宙の旅)を劇場で観た。この中で、木星へ向かうディスカバリー号の乗員のフランク・プールは、人工知能HALの反乱によって船外活動中に殺害される。殺されたフランクは、音もなく回転しながら等速で宇宙船から離れていくという場面がある。小学生だったオーナーは、宇宙空間では、回転も直進運動も慣性の法則が成り立つのだなと理解したのである。それから、45年後の2013年、アルフォンソ・キュアロン監督のGravity(邦題 ゼロ・グラヴィティ)を観た。題名が素敵である。CGを駆使した素晴らしい映像をたっぷり楽しめた。アポロ11号の乗組員であったバズ・オルドリンは本作の描写が現実の宇宙空間にかなり近いものであることを認めているほど、ジョージ・クルーニーとサンドラ・ブロックの無重力での演技が見事であった。余談であるが、オーナーが大好きなSFTVドラマのスタートレックでは、冒頭のオープニングの映像で宇宙船エンタープライズが高速でシューッという効果音とともに画面を飛んでいくが、宇宙空間では音が聞こえないはずなのだが・・と邪推しているのは私だけであろうか。
 
サロンでは、重力の秘密に迫る。ノーベル賞を受賞した重力波の発見が、なぜすごいことなのかについても詳しく解説する。