Room106 文学へのいざない~源氏物語

注) 下記の講座は終了しました

  • 岡本会場 2024年1月27日(土)
  • 岡本会場 2024年1月30(火)

講習時間・参加費用

※会場別に異なりますので
 右の申込み欄をご確認ください

※終了後の交流会費用は別途

開講会場

岡本会場

三宮会場(レ・ヴィーニュ)

東京会場

申込方法

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キャンセルの場合

テキストの準備のため、キャンセルされる場合は開催日の3日前までにご連絡ください。
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サロン開講によせて

年が明けて、2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」が始まった。紫式部の物語なので、サロンもそれに合わせて「源氏物語」を取り上げる。「いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。」有名な、桐壺の巻の冒頭だ。源氏物語を原文で読破した人はほとんどいないと思われるが、この一節だけは知っている人は多いのではないだろうか。オーナーも、高校の古文で初めて源氏に出会い、桐壺の冒頭は暗唱したものである。この文は、短いながら物語の本質を語っているようである。桐壺の更衣は、それほど身分が高いわけではないのに、そのたぐいまれな美しさと教養の高さから時の帝(桐壺帝)から、格別のご寵愛を受けるが、それが、後宮に侍る他の女御や更衣から強烈に嫉妬され、いじめられる。桐壺更衣は帝との間に玉のような若君(光源氏)を産むが、ほどなくして非業の死を遂げる。少年源氏は、亡き母の面影を、入内した藤壺女御に重ねて、藤壺を思慕してしまう。10歳くらいのときである! その後、12歳で左大臣の女で4歳年上の葵の上と結婚するが、うまくいかない。その後、空蟬、夕顔と次々と興味を持った女性と契りつつ、若紫との運命の出会いとなる。そして、18歳のとき、源氏は藤壺と契り、懐妊させてしまう。このことは、桐壺帝は知らない・・・。いやはや、序盤からすさまじい展開である。

平安時代中期に、紫式部によって書かれたこの「源氏物語」の誕生は、後宮で暇を持て余す女御らに絶大な人気を博した。それもそのはず、紫式部は自分の体験にもとづいて、貴族社会の日常の「あるある」をそのまま物語に仕上げたのである。1000年以上前の作品であるが、今読んでも面白すぎる。女性だからこそ、こういう作品が書けたということもあるだろう。今なお、世界中で翻訳され愛読されているという。日本が誇る国宝級の文学作品といえるだろう。昨年サロンでやった和歌がふんだんに出てくるが、当時の貴族がお目当ての女性に和歌を通してアプローチをしたことがよくわかる。この作品の中には、なんと795首も和歌が織り込まれている。平安末期に『源氏物語』が古典化してからは歌人の必読書とされ、12世紀の歌人藤原俊成は「源氏見ざる歌詠みは遺恨の事なり」と評したというから、紫式部という女性は、飛び抜けた教養の持ち主であったことがわかる。

今回は、全五十四帖の中から、源氏の誕生から死(具体的な描写はないが)までの物語、全四十一帖分について、あらすじと人物関係をまとめてある。これを読めば、きっと源氏物語を読んだ気分になるであろう。そして、全文を読んでみたいと思う人がでたら嬉しいことである。