Room49 生命へのいざない～運動
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サロン開講によせて
オーナーは三度目の正直で始めたウォーキングダイエットで、半年かけて7kgの減量に成功した。これがうれしくて、教養サロンRoom49は運動をテーマとすることにした。減量7 kgはどれくらいすごいか考えてみよう。ウォーキングによって、多少筋肉は付いたとは思うが、計算を簡単にするために、7 kgはすべて脂肪の燃焼による減量と仮定する。脂肪は筋肉より軽く、その密度はおよそ0.9g/cm3といわれている。豚の背脂で実際に計測した人がいて、ネットで紹介されている(1)。その結果によると豚の背脂の密度は0.92g/cm3であった。同じ哺乳類ということで、人の脂肪も0.9g/cm3としていいだろう。すると脂肪7kg（7000g）は体積にすると7.8ℓ（7800cm3）。この脂肪が仮に私の体表面に均一に皮下脂肪としてついていたとして、その厚さを概算してみる。減量前のオーナーの体重と身長を、人の体表面積を求める近似式S=88.83 x W0.444 x H0.663（S：体表面積cm2、W：体重kg、H：身長cm）(2)に適用すると、S=19800cm2となった。体積7800cm3を、体表面積19800cm2で割り算すると約0.4cm。つまり、私の全身の表面から、厚さ4 mmの脂肪が消え去ったという計算になる。ちなみに、ウェストは計算上マイナス2.5cmとなる。厚さ4mmというとわずかに見えるが、全身からこれだけをそぎ落とすと体積7.8リットルとなり、これは2ℓのペットボトル約4本だ。考えるだけで、ぞっとする。これだけの錘を背負って生きていたのである。今回のダイエットでオーナーは10年前の体形に戻った。
オーナーが昔から疑問に思っていたことがある。車が動く仕組みはよく理解できる。炭化水素であるガソリンを爆発的に燃焼させることによって、その分子に蓄えられている結合エネルギーを開放することで熱が発生する。その熱エネルギーをもった二酸化炭素と水蒸気から成る燃焼ガスがピストンを押すことで往復の運動エネルギーに変換される。それがクランクシャフトで回転の運動エネルギーに変換され、さらにギアを通じてタイヤの回転エネルギーに変換される。タイヤの回転が地面を後ろに押すと、その反作用でタイヤは地面から前に押されてようやく動く。これはわかりやすい。では、人が運動する仕組みはどのように説明できるのだろうか？ガソリンに相当するエネルギー源は食べ物である。タイヤに相当するものは地面を蹴る足（筋肉）である。食べ物がどのような過程で最終的に筋肉を動かすのであろうか。不思議である。そのプロセスをサロンで明らかにする。
ところで、今年はリオ・オリンピックで大いにスポーツ観戦で楽しめた。スポーツにはいろいろあるが、競技スポーツをオーナー的に定義するとこうなる。定められたルールのもとで、目的（勝つこと）達成のために、いかに筋肉を動かすかを競うものである。競技でなく日常のスポーツも、それぞれの目的、例えば健康増進のために効果的に筋肉を動かすことと定義できよう。すなわち、スポーツには我々が意識するかしないかにかかわらず、科学が潜んでいる。マラソンが42.195kmを走ることの意味は大きい。30kmでは実は競技として面白くない理由があるのである。また、棒高跳びで7mを超えるのは不可能であることは、簡単に証明できる。そのあたりも含め、サロンでは、運動の科学に迫る。これから、運動するとき、あるいは、スポーツ観戦するときに、このような知識があれば、より楽しめるはずである。ただし、知識は知識。うまくなるには、正しいトレーニングを忍耐強く続けることが必要であることは言うまでもない。オーナーもウォーキングダイエットの効果が出るのに2か月程度を要した。楽しては何も成就しないものである。
