Room86 技術へのいざない~文房具

注) 下記の講座は終了しました

  • 岡本会場  2021年8月7日(土)
  • 岡本会場 2021年8月24日(火)

講習時間・参加費用

※会場別に異なりますので
 右の申込み欄をご確認ください

※終了後の交流会費用は別途

開講会場

岡本会場

三宮会場(レ・ヴィーニュ)

東京会場

申込方法

参加申込はご希望の日時を選択頂き、申込ボタンを押下して下さい。

キャンセルの場合

テキストの準備のため、キャンセルされる場合は開催日の3日前までにご連絡ください。
それ以降のキャンセルに関しては、テキスト代+送料計4,000円(税込)をお支払いただきますので、予めご了承ください。
テキストはご指定の住所宛てに郵送します。到着後、同封のご請求書記載の
パスカル銀行口座までお振込願います。(振込手数料はお客様ご負担となります)

サロン開講によせて

母は手紙を書くときには、必ず、パーカーの万年筆を使っていた。軸は茶色がかったえんじ色で、ペン先が少ししか見えない独特のデザインである。母はこのペンをとても気に入っていた。オーナーが小学校3年生だったある日、母は出かけて家には少年のオーナー1人だけ。ダイニングテーブルには、くだんのペンがあった。普段から触るなと言われていたが、このとき、少年はペンのキャップをとって何か書いた。それが万年筆で書いた人生最初の瞬間であった。その夜、母と父の短い会話をオーナーは忘れない。母「おかしい、ペンがうまく書けないわ」。父「けど、誰も使わんやろ」。少年は、黙って聞いていた。そして、その理由を母に打ち明けることはなかった。母のペンはパーカー51という名器であった。

今回のサロンは、文房具にチャレンジする。文房具はこれまで誰もが日常で当たり前に使ってきた道具である。筆記用具、ノート、ファイル、ホッチキス、はさみ、定規にコンパス・・・・。学校ではとにかくお世話になった。オーナーが社会人になった昭和50年代は、ようやくワープロが現れた時代である。入省1年目は、通産大臣が読む国会答弁を鉛筆で清書し、コピーをとり、ホッチキスで綴じる毎日であった。あれから、40年以上が過ぎて、時代はデジタル。PCやスマートフォンがノートや手帳の役目を果たすので、鉛筆やボールペンを使うことがすっかり減ってしまった。ペーパーレスで資料を紙で用意することも少なくなった。その結果として、ホッチキスやバインダーを使うことも減った。さて、このまま、文房具はどんどんなくなっていくのだろうか。

オーナーは、文房具は利用頻度が減るにしても、その存在価値がなくなることは決してないと考える。文房具はいわばアナログ世界の代表である。世の中がDX(Digital Transformation)の世界を突き進んでいるとしても、その対極にあるような、鉛筆、万年筆、定規、コンパスはなくならない。アナログは効率は悪いだろう。人によって、出来映えも違うだろう。しかし、それが人間的である。文書はワープロソフトでプリントアウトするかも知れない。しかし、末尾のサインは、モンブランの万年筆で書きたい。

サロンでは、文房具の全体を外観した上で、オーナーが気になるピックアップした文房具について、その開発の歴史や仕組みに触れることにする。オーナーが持っている秘蔵の(単に古いだけ?)文房具もサロンでお見せしよう。その中には、母のパーカー51も入っている。