Room81 技術へのいざない~工具

注) 下記の講座は終了しました

  • 岡本会場 2020年11月14日(土)
  • 岡本会場 2020年11月25日(水)

講習時間・参加費用

※会場別に異なりますので
 右の申込み欄をご確認ください

※終了後の交流会費用は別途

開講会場

岡本会場

三宮会場(レ・ヴィーニュ)

東京会場

申込方法

参加申込はご希望の日時を選択頂き、申込ボタンを押下して下さい。

キャンセルの場合

テキストの準備のため、キャンセルされる場合は開催日の3日前までにご連絡ください。
それ以降のキャンセルに関しては、テキスト代+送料計4,000円(税込)をお支払いただきますので、予めご了承ください。
テキストはご指定の住所宛てに郵送します。到着後、同封のご請求書記載の
パスカル銀行口座までお振込願います。(振込手数料はお客様ご負担となります)

サロン開講によせて

ヒトは直立歩行を始めたことで、手が自由になった。その手を使って、ヒトは道具を作った。ヒトと他の動物との決定的な違いは、この道具を発明したことである。オーナーが中学2年のとき、父と一緒に大阪のOS劇場で、シネラマ映画「2001年宇宙の旅(英語名 2001:A Space Odyssey)」を観た。その映画の冒頭で、仲間と集団生活しているある類人猿が動物の骨を武器に使えることに気づく。骨を武器にしたこの一族は、他の一族との戦いで圧勝する。そして、雄叫びをあげて骨を空高く放り上げると、スクリーンは一瞬にして宇宙の暗闇に浮かぶ宇宙船に置き換わる。美しく青きドナウの優雅な音楽とともに、この瞬間に、観客を400万年のタイムワープを経験する。スタンリー・キューブリックは道具の発見が進化の原動力であることを示したかったのであろう。

オーナーが幼少のころから、実家では大工道具や農芸道具がいろいろ揃っていた。母ものこぎりを引いていたが、同居していた青木医師は、とにかく器用で、何でも作っていた。コンポステレオ、庭のアーチ、鉄骨ブレーシング構造のガレージ、そして木製の大きな大工道具入れも自作した。すべてプロ並みの出来栄えである。週末には青木医師が道具を使って作業するのを見るのが楽しみであった。大工道具を小さいときから触っていたことが、オーナーにとってはかけがえのない経験であったと思う。中学に入ると、技術家庭科の授業で大工道具一式を揃えた。その中のいくつかは今でも使っている。例えば、マイナスのドライバー。柄は濃い赤色だったが、すっかり剝げ落ちて、庭の雑草の根っこ引きに使っている。ノミや曲尺も当時のままである。そして、大人になってからも、1980年頃から、東急ハンズで少しずつ工具を買い足していった。工具箱は、妻が買ってくれた。そこには、「1980.9.23 26才のまろへ」と書かれている。そのころ、オーナーはなぜか「まろ」と呼ばれていた!。また、母が大工や水道工事のプロからもらったという電動ドライバーやレンチなども、譲り受けて、今の工具箱に入っている。一般の社会人としては、オーナーは相当持っている方だと思う。

さて、Room81のテーマは、まさにこの工具である。さまざまな工具の中で、今回取り上げるのは、やはり、オーナーに馴染みのある大工道具である。お気に入りの道具をサロンの会場に持ち込んで、みなさんにご披露しよう。そして、触っていただきたい。ただ、道具を紹介するだけでは、サロンにはならない。サロンはサイエンスに迫るものである。よって、道具のメカニズムを、物理と数学で解説することにしよう。ネジはなぜ締まるのか、ノコギリはなぜ切れるのか、ドリルで穴があくメカニズムはどうなっているのか。あまりに当たり前で説明する必要もないが、きちんと説明するのはなかなか骨が折れる。

道具を考えることで、あらためて、ヒトの知恵の偉大さに思いを馳せるのもよいだろう。