Room79 医学へのいざない~東洋医学

注) 下記の講座は終了しました

  • 岡本会場 2020年9月12日(土)
  • 岡本会場 2020年9月28日(月)

講習時間・参加費用

※会場別に異なりますので
 右の申込み欄をご確認ください

※終了後の交流会費用は別途

開講会場

岡本会場

三宮会場(レ・ヴィーニュ)

東京会場

申込方法

参加申込はご希望の日時を選択頂き、申込ボタンを押下して下さい。

キャンセルの場合

テキストの準備のため、キャンセルされる場合は開催日の3日前までにご連絡ください。
それ以降のキャンセルに関しては、テキスト代+送料計4,000円(税込)をお支払いただきますので、予めご了承ください。
テキストはご指定の住所宛てに郵送します。到着後、同封のご請求書記載の
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サロン開講によせて

オーナーが小学生だったときの出来事である。冬休みで帰省中だった大学生の兄と明石の海辺でキャッチボールをしていた。兄が空高く投げたボールは大きなカーブを描いて落ちてきて、グラブの上からオーナーの左小指を直撃した。指を見ると第2関節が外れ「への字」に折れ曲がっている。脱臼(dislocation)である。驚いた兄は、私を背中におんぶして、接骨院まで走っていった。 指以外は大丈夫なので、おんぶの必要はなかったのだが、兄の愛情を感じた。柔道の師範でもあった整骨師は、脱臼した指をつまむと、あっと言う間に元に戻した。痛さを感じる間もなかった。さて、その整骨院には、「ほねつぎ はり きゅう マッサージ」と書かれた白い柱が立っていたことを覚えている。これが、オーナーが東洋医学らしきものに出会った最初である。それから約10年後、オーナーが大学生のとき、腰痛が治らないので、鍼(はり)を打ってもらった。鍼で腰痛は治らなかったが、これが東洋医学との2回目の出会いである。

Room79では、東洋医学を取り上げる。病気の治療といえば西洋由来の現代医学が主流である。病院に行けば、患者の主訴にもとづき、さまざまな検査が行われ、医師の診断で原因が推定されたら、そこに直接作用する治療法が選択される。すなわち対症療法である。うまくいけば、効果は早期に表れるだろう。ただし、不定愁訴は原因が特定されないので、病気とはみなされない。一方、中国伝統医学をルーツとする東洋医学(日本では漢方医学)は、西洋医学とは根本的な思想が異なっている。病気はその人がもつ自然治癒力のバランスがくずれた状態であると考える。よって、西洋医学での不定愁訴は東洋医学では立派な病である。診断は、患者の主訴のみならず、四診という方法で人体全体を総合的に診察する。その結果、「証」という病態をつきとめて漢方処方や鍼灸などで治療する。これが対証療法といわれる所以である。あくまでも自然治癒力をもとに戻すことが基本なので、回復はゆるやかである。

このように思想が異なる西洋医学と東洋医学。どちらが正しいかということではない。どちらも、正しい。最近では、医学部の学生も東洋医学の基礎を学ぶということである。現代医学は驚くべきスピードで発展を遂げつつあり、今やAIが診断や治療まで行う時代である。AIはビッグデータとITを融合したディープラーニング法で問題を解決するという人類の大発明であり、スピードや正確性では、人を圧倒的に凌駕する。しかし、AIも万能ではない。やや飛躍した例であるが、将棋の天才藤井聡太二冠は、AIが選んだ候補手を上回る好手を連発する。オーナーは、藤井二冠に、西欧の合理主義を打ち砕いてくれる頼もしさを感じるのである。東洋医学をそのような位置づけでとらえると面白い。

サロンでは、東洋医学の歴史、理論、診断と治療の基本について概観する。漢方や経穴(ツボ)などの細かい話は別にして、2000年以上前から現代に脈々と受け継がれている東洋医学の真髄に迫ることができればうれしい。