Room74 音楽へのいざない~ドビュッシー

注) 下記の講座は終了しました

  • 岡本会場 2019年12月14日(土)
  • 岡本会場 2019年12月20日(金)
  • 岡本会場 2019年12月26日(木)

講習時間・参加費用

※会場別に異なりますので
 右の申込み欄をご確認ください

※終了後の交流会費用は別途

開講会場

岡本会場

三宮会場(レ・ヴィーニュ)

東京会場

申込方法

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キャンセルの場合

テキストの準備のため、キャンセルされる場合は開催日の3日前までにご連絡ください。
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サロン開講によせて

12月は恒例の音楽サロン、9回目となるRoom74は、20世紀の新たな音楽の扉を開けた、フランスが生んだ大天才、クロード・ドビュッシーに迫る。ドビュッシーは、これまでサロンでとりあげた古典派、ロマン派とは一線を画する音楽の世界を切り開いた。いつの時代にも、旧体制、因習、規則を破壊する改革者が出てくるものであるが、音楽界では、ドビュッシーは文句なしのイノベーターである。ロマン派を含む古典的な音楽は、旋律、和声、リズムが、多少のずれは容認できるとしても、全体として大きく崩れることなく進行していく。それが常識である。ドビュッシーは、これを悉くぶち壊した。無調性、全音階、半音階が紡ぐドビュッシーの音楽は、発表当初は賛否両論が渦巻き、ヨーロッパ音楽界はこれをどう評価してよいものか悩んだのである。幼少から天才ぶりを発揮したドビュッシーは、若干10歳で超難関のパリ国立音楽院に入学し12年間在籍する。ピアニストとしての技術と規則に縛られた和声では、修了条件である1等賞がとれなかった。しかし、ドビュッシーが創造したこれまで聴いたことのなり和声の響き、コンセルバトワールでは点数にならないものの、採点した教師も、密かに高く評価するところがあったという。さらに、視唱(ソルフェージュ)や伴奏では圧倒的な才能を発揮し、それは、後の作曲において大いに役立つ。

ドビュッシーに影響されていない20世紀のミュージシャンはいないと言われる。特にジャズに与えた影響力は大きく、ビル・エヴァンス、ガーシュウィン、デューク・エリントンといった名立たるアーティストに影響を与えている。クラシック音楽の終焉とポップス音楽の幕開けを呼んだ人物ともいえる。ドビュッシーの作品では、ベルガマスク組曲第3番の〈月の光〉が有名である。心安らぐ美しい旋律はどこかロマン派にも通じるところがあって、人気No1作品であろう。しかし、ドビュッシーの本質は、美しい旋律にはない。聴衆に迎合することなく、人からなんと言われようと、ドビュッシーは独自の世界観を創造した。それを言葉で表すことはできないので、とにかく聴いてみよう。ベルガマスク組曲には、第4曲〈パスピエ〉がある。オーナーが学生時代、NHKFMで「大作曲家の時間」を楽しみに聴いていた。この番組は毎週日曜に一人の大作曲家を何週にもわたって掘り下げるという秀逸なもので、当時、ショパンやリスト、それに、ドビュッシーが放送されたのである。そのドビュッシーの番組冒頭のテーマは〈パスピエ〉であった。無調で小気味よいリズムのこの曲は今でもお気に入りである。

では、ドビュッシーで令和元年を締めくくることとする。