Room25 物理へのいざない~素粒子

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注) 下記の講座は終了しました

Room25では、最近ヒッグス粒子で話題になった素粒子の世界にご案内します。
日本人のノーベル賞受賞者の中では、素粒子の分野はなんと6人もいるのです!
素粒子と聞いても、ぴんとこないのはあたりまえ。原子の中の、陽子や中性子の中の
話であり、まだまだ理論的にも確立されていない分野です。
でも、我々の存在や力の根源を明らかにするという、とても魅力的な分野であることは
間違いなし。

ほとんどの人がちんぷんかんぷんの世界で、ちょっと知識を披露できる絶好のチャンス!
クォーク、メソン、グルーオン、ニュートリノ、反粒子、ダークマター・・・
これらがちゃんと説明できるようになりますよ!!!

  • 神戸会場 2013年11月16日(土)

講習時間・参加費用

※会場別に異なりますので
 右の申込み欄をご確認ください

※終了後の交流会費用は別途

開講会場

岡本会場

三宮会場(レ・ヴィーニュ)

東京会場

申込方法

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サロン開講によせて

2013年度のノーベル物理学賞は、ヒッグス粒子の存在を予測したピーターらに授与された。ヒッグス粒子は1964年にその存在が予測され、それから実に48年後の2012年7月にCERN(ヨーロッパ・ ヒッグス博士合同原子核研究機構)がヒッグス粒子とみられる新粒子を発見したと発表した。このときの関係者やマスコミのフィーバーぶりは記憶に新しいとこ ろである。さらに2013年3月にCERNは追加したデータ分析の結果、新粒子はヒッグスであると強く示唆していると発表した。すなわち、ヒッグス粒子の 発見はほぼ確定的となったということである。ヒッグス粒子とは何か?ヒッグス粒子の発見がこれほど大きなニュースになるのはなぜか?それ以前の問題とし て、素粒子とはいったい何なのか?

ところで、日本はこの素粒子物理学が伝統的に強い国である。ノーベル物理学賞受賞者7人のうち、6人が素粒子関係である。その6人とは湯川秀樹、朝 永振一郎、小柴昌俊、南部陽一郎(現在は米国籍)、小林誠、益川俊英だ。しかし、これらの人の業績について詳しく知っている一般の人は皆無だろう。たと え、説明されてもほとんど理解不可能だろう。陽子は2個のアップクォークと1個ダウンクォークで構成され、これらの3つのクォークはグルーオンという粒子 の交換によって強い力を生み出している。あるいは、ヒッグス場の存在は、南部陽一郎が提唱した対称性の自発的破れという考えがもとになっているとか。高校 で習った運動の法則や慣性の法則は我々にとって日常的に体感できることなので、わかった気になるが、素粒子の話は難解さという点では超一級である。

自然科学者には、物事をシンプルかつ美しく説明したいという傾向がある。素粒子物理学者は、自然界の根源的な力である4つの力、すなわち①電磁気力 ②放射性崩壊を引き起こす弱い力③クォークを繋ぎとめる強い力④重力の4つを統一的に説明する理論を組立てることを最大の目標にしていると言えよう。これ まで、①電磁気力と②弱い力は「電弱理論」として統一された。これに、③強い力を加えた統一理論が、「標準理論」といわれているものであり、ヒッグス粒子 はこの標準理論において存在が予測された17個の粒子のうち、ただ一つ未発見の粒子だったのである。つまり、ヒッグス粒子が見つかったことで、標準理論の 正しさがさらに一段階上がったと言えるのである。

今回の教養サロンは、この超難解な素粒子をテーマにする。物質の根源、力の根源を解明するための素粒子論について、私がいくら平易に説明したとしても、よくわからないかもしれないが、物理学の最先端を味わい、自然界の不思議をあらためてみなさんと共有してみたいと思う。