Room17 物理へのいざない~量子論

注) 下記の講座は終了しました

  • 神戸会場 2012年 9月29日(土)
  • 岡本会場 2023年 7月1日(土)
  • 岡本会場 2023年 7月6日(木)

講習時間・参加費用

※会場別に異なりますので
 右の申込み欄をご確認ください

※終了後の交流会費用は別途

開講会場

岡本会場

三宮会場(レ・ヴィーニュ)

東京会場

申込方法

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キャンセルの場合

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サロン開講によせて

常識では考えられないことがある。例えば、目の前に分厚いコンクリートの高い壁があったとして、それを私がすっと通り抜けることなどできはしない。あるいは、私が神戸と東京に同時刻に現れたら、マスコミは大騒ぎするだろう。私は一日にして世界の注目を浴びる。しかしである。このような現実離れしたありえないことが、原子や電子のミクロの世界では当たり前のように起こっているのである。この秘密を解く理論が量子論である。そして、量子論を数学で現したものが量子力学である。

オーナーは、大学1年のときに、必須科目であったこの量子力学にたいそう悩まされた。やや専門的になるが、量子力学では必ずシュレジンガー波動方程式という怪物を学ぶ。その方程式を解くことは数学的にはできるのであるが、その解の意味するところがさっぱり分からないのである。波動方程式の解である波動関数Ψの絶対値の二乗が電子の存在確率を表す!え、何のこっちゃ??結局、良く分からないまま社会人になり、量子論の本質を理解しないまま、現在にいたっている。そこに何の不都合もない。しかしである。我々が今その恩恵を享受しているコンピューターを初めとするエレクトロニクス技術はすべからく量子論にもとづいて設計され製作されているのである。量子論が発見されなければ、人類はいまだに電灯とモーターの世界から脱却できていないといえるのである。現代人類社会にこれほど役に立っている重要な理論にも関わらず、一方でこれほど人に知られていない理論もない。そこで、今回の教養サロンでは、この難敵中の難敵である量子論にチャレンジする。

みなさんにとって興味が湧くものであるかどうかはわからないけれど、いくつか量子論でないと説明できない事例をご紹介しよう。その1。地球のすべての生物が恩恵を受けている太陽のエネルギーは、水素がヘリウムに核融合することで生まれることはよく知られている。ところが、相対性理論も含めた古典物理学で計算しても、太陽の中心温度1500万度K程度では決して核融合は起こらないのである。その謎は量子論でようやく解明された。その2。原子の姿のイメージ図としてよく書き表されるのは、太陽の周りを惑星が回っているようなものである。すなわち、中心に小さな原子核があってその回りを小さな電子が回っている図だ。しかし、この状態だと、古典物理学によれば、電子はあっという間に原子核に飲み込まれ原子が潰れてしまうのである。それは実に困った話である。すべての物質は原子で成り立っているとすると、私の体も一瞬にして潰れてしまうことになる。原子が潰れない秘密は量子論で解明された。

今回のサロンは、実に不思議な世界へのいざないである。人間が勝手に作った常識でコチコチに固まった脳みそをぶち壊し、ゼロベースで物を考えるきっかけとなること請け合いである。人類がここまで知的生物に進化したのだから、量子論を知らないままこの世を去ってしまうのは実にもったいないと私は思うのであるが、いかがであろうか。