Room47 工学へのいざない~鉄道

注) 下記の講座は終了しました

  • 神戸会場 2016年 7月 30日(土)
  • 大阪会場 2016年 8月 1日(月)

講習時間・参加費用

※会場別に異なりますので
 右の申込み欄をご確認ください

※終了後の交流会費用は別途

開講会場

岡本会場

三宮会場(レ・ヴィーニュ)

東京会場

申込方法

参加申込はご希望の日時を選択頂き、申込ボタンを押下して下さい。

キャンセルの場合

テキストの準備のため、キャンセルされる場合は開催日の3日前までにご連絡ください。
それ以降のキャンセルに関しては、テキスト代+送料計4,000円(税込)をお支払いただきますので、予めご了承ください。
テキストはご指定の住所宛てに郵送します。到着後、同封のご請求書記載の
パスカル銀行口座までお振込願います。(振込手数料はお客様ご負担となります)

サロン開講によせて

オーナーが車の運転をやめてからもう16年になる。以前乗っていた車が故障したことがきっかけであるが、思い切って車なしの暮らしにしてみたら、ほとんど支障がない。日常の国内での移動は鉄道か歩きである。飛行機にもほとんど乘らない。飛行機が便利なことはわかっているし、滑走路での時速200㎞までのあの加速感は、実は大好きなのであるが、やはり重力に逆らっていることに対する不安が拭えないのである。5~6㎞の近距離ならば、迷わず歩く。オーナーは1㎞を正確に10分で歩くから、6㎞ならちょうと1時間である。遠距離になると鉄道だ。鉄道は安全である。日本が世界に誇る新幹線は、開業以来(正規な乗車方法による)乗客の死者はゼロ、すなわち、事故確率は0%である。普段よく使う電車はさすがに0%というわけにはいかないが、飛行機、船に次いで事故確率が低く、車より格段に安全だ。しかも、日本の鉄道は、正確に運行されるから、到着時刻がほぼ予想できる。ありがたい乗り物である。

 

鉄道といえば、オーナーが保育園から小学校低学年にかけての昭和30年代前半の印象が強い。昭和33年、4歳のころ、初めて九州に連れて行ってもらったが、乗ったのはSLに引かれた特急「あさかぜ」だった。トンネルに入ると、真っ黒な煤が窓から入ってきて、となりに座っていた男性が煙草を灰皿に置き、あわてて窓を締めていた光景が思い出される。翌昭和34年、誕生して間もない電車型のビジネス特急「こだま号」で初めて東京に行った。今日では新幹線のぞみ号が大阪-東京を2時間35分で突っ走るが、そのときのこだまは6時間50分かかった。それでも、当時最速の電気機関車牽引による客車特急列車「つばめ」や「はと」が7時間30分で結んでいたのだから40分の短縮であった。昭和36年、小学校1年になって、国鉄垂水から明石まで通学するようになった頃の印象がまた強烈である。当時はまだSLが走っていた。上りの神戸・大阪方面へ行くチョコレート色の車両に、朝のラッシュ時には日本の風物詩となっている押し込み専門員がいて、男女お構いなく、これ以上無理だというのにさらにぎゅうぎゅうに押し込む。よくあれでドアが破裂しないものだと子供心に感心していた。そして、つくづく、通学が反対方向の下りでよかったと思ったものである。

 

さて、よく利用するとは言え、鉄道のことをよく知っているかといえば、実は知らないことが多い。いろいろな疑問が沸いてくる。教養サロンがいつも目指しているメカニズムの解明という視点からは、例えば、レールの幅はどうやって決められたのか。なぜ、レールがカーブしているだけで、車両もあれほどスムーズに曲がることができるのか。最近電車が走っても昔ほどタ・タン・・・タ・タッタ・タンという音がしなくなったのは、ロングレールのお陰とは思うが、その継ぎ目はどういう仕組みなのか。どうして、あのピカピカのレールの上をすべることなく車輪が回れるのか。JRのレールの幅は驚くほど狭いのに、なぜ脱線しないのか。オーナーが東京に住んでいた時にいつも思っていが疑問であるが、地下鉄千代田線は加速と減速のときに大きな音がするのはなぜか。新幹線をあれほど高速かつ正確に運行できるシステムというのはいったいどのような仕組みなのか。これらについて、わかりやすい説明をしよう。きっと、なるほどそうだったのか、と賢くなった気分になるだろう。また、鉄道を楽しむ視点としては、鉄道の誕生と発展の歴史、蒸気機関車の魅力、世界のめずらしい鉄道、日本のさまざまな路線についてご紹介したい。

 

鉄道は、誰もが利用し続ける偉大な国家資産だ。鉄道についてさまざまな知識を得て乗ってみると、これまでとは違った鉄道の楽しみ方を見つけてもらえるのではないだろうか。